ご挨拶

コラム100本に向けて―これまでの振り返りと、これから取り上げたいテーマ

このコラムを続けてきて、まもなく100本という一つの節目が見えてきました。ここまで読んでくださった皆様への感謝とともに、これまでの振り返りと、今後さらに掘り下げていきたいテーマについてお伝えします。

まもなく100本、この節目に立って

このコラムを書き始めた当初は、プロジェクト管理会計という、まだ多くの経営者にとって馴染みの薄い領域を、実務の言葉でどこまで伝えられるだろうかという不安がありました。書き続ける中で記事数は積み重なり、まもなく100本という節目に近づいています。この機会に、これまで取り上げてきたテーマを振り返り、読んでくださっている皆様への感謝を、あらためてお伝えしたいと思います。

なぜプロジェクト管理会計というテーマにこだわり続けているのか

私自身、朋友建設での新卒時代に会社の経営破綻を経験し、エンプレックスでCFOとして数字と向き合い、ホリプロで新規事業の経営企画に携わってきました。その一つひとつの現場で痛感してきたのは、プロジェクト単位の採算が見えないまま経営判断を続けることの怖さです。この一貫した課題意識が、独立後に200社を超える企業を支援する原動力となり、このコラムを通じて発信を続ける理由にもなっています。

これまで取り上げてきたテーマの振り返り

これまでのコラムでは、プロジェクト収支管理や原価計算実務といった基本的な会計の仕組みから、フォーキャスト経営、FP&A、経営ガバナンス、IPO準備、そして建設業や人材マネジメントといった業種・組織の観点まで、幅広いテーマを取り上げてきました。一つひとつは独立したテーマですが、根底では「プロジェクト単位の実態を、経営の意思決定に正しく反映させる」という一つの問いにつながっていると感じています。

読者の皆様からの反応で見えてきたこと

コラムを通じていただく質問や反応の中で、特に多いのが「うちの業種にも当てはまる話だった」という声です。当初は建設業やIT開発業を念頭に書いていたテーマが、映像制作やコンサルティングといった、一見異なる業種の方にも共通する課題として受け止めていただけることが多く、プロジェクト型ビジネスに共通する構造的な課題の広さを、発信する側としても再確認させられています。

今後取り上げていきたいテーマ①、業種横断の実務比較

これまでは一つの業種やテーマを深く掘る記事が中心でしたが、今後は同じ課題を複数の業種がどう解決しているかを比較する記事にも力を入れていきたいと考えています。例えば損益分岐点管理という同じ考え方が、建設業とITサービス業でどのように異なる形で運用されているかを比較することで、自社の業種では当たり前とされている手法を、他業種の知恵と照らし合わせて見直すきっかけを提供できると考えています。

今後取り上げていきたいテーマ②、制度変化への実務対応

インボイス制度やフリーランス新法のように、法制度の変化がプロジェクト単位の原価管理や取引実務に影響を与える場面は、今後も増えていくと予想されます。制度そのものの解説にとどまらず、現場の実務担当者が具体的にどう運用を変えるべきかという視点を大切にしながら、こうした制度変化への対応を継続的に取り上げていきたいと考えています。

今後取り上げていきたいテーマ③、経営者・現場責任者の生の声

これまでのコラムは、私自身の実務経験や支援先の事例をもとに構成してきましたが、今後は経営者や現場責任者の方々の生の声を、可能な範囲で織り込んでいきたいと考えています。数字や制度の解説だけでなく、実際にその変化に向き合っている方々の視点を加えることで、より実感の伴う内容にしていきたいという思いがあります。

200社の支援を通じて変わらず大切にしていること

200社を超える企業を支援してきた中で、業種や規模が異なっても変わらず大切だと感じているのは、経営者自身がプロジェクト単位の実態を「自分の言葉で語れる」状態を作ることです。専門家に丸投げするのではなく、経営者自身が数字の背景にある現場の物語を理解していること。このコラムも、そのための一つの手がかりになれればという思いで書き続けています。

eMplex PBMというサービスへの思い

このコラムで取り上げてきた考え方の多くは、私たちが提供する「eMplex PBM」というサービスの設計思想そのものにもつながっています。プロジェクト別の予算・実績・見通しをリアルタイムに可視化するという機能は、単なる便利な管理ツールというだけでなく、経営者や現場責任者が「自分の言葉で語れる数字」を手にするための土台であってほしいと考えています。コラムとサービス、両方を通じて、この思いを形にしていきたいと思っています。

これからも変わらないペースで

100本という節目を通過した後も、書くペースやテーマ選びの基本方針は大きく変えず、日々のプロジェクト経営の現場で実際に起きている課題を、実務の言葉で丁寧に届けていくことを大切にしていきたいと思います。時に業種横断的なテーマ、時に制度対応、時に現場の声を交えながら、これからも読んでくださる皆様にとって、少しでも役に立つ内容を届けられるよう努めてまいります。

支援先の経営者から学んだこと

200社を超える支援の中で出会った経営者の方々からは、私自身も多くを学ばせていただきました。ある建設会社の経営者は、和議を経験した私の話を聞いて「うちも同じ轍を踏まないために、今から手を打ちたい」と、実行予算の仕組みを本気で整え始めてくださいました。またあるIT企業の経営者からは、フォーキャスト経営の考え方を取り入れたことで、期中の意思決定のスピードが明らかに変わったという声をいただきました。こうした一つひとつの対話が、このコラムの内容にも形を変えて反映されています。

感謝を込めて

コラムを書き続ける中で、時には一つのテーマを掘り下げるために何度も現場の記憶を掘り返し、当時の失敗や苦労をあらためて言葉にする作業も少なくありませんでした。それでも書き続けられたのは、読んでくださる皆様からの反応や、実際に現場で試してみたという声があったからです。この場をお借りして、あらためて感謝を申し上げます。

100本を超えても変わらない書き方

このコラムは、抽象的な理論書ではなく、実際の現場で起きたことをできるだけ具体的に、そして実務家としての一人称の言葉で伝えることを大切にしてきました。100本を超えた後も、この書き方の基本方針は変えずに、時には失敗談も含めて、飾らない実務の言葉で発信を続けていきたいと考えています。

まとめ

まもなく100本という節目を迎えるにあたり、これまで読み続けてくださった皆様に、あらためて心より感謝申し上げます。プロジェクト単位の実態を経営の意思決定に正しく反映させるという一貫したテーマを大切にしながら、業種横断の比較、制度変化への対応、現場の生の声という新たな視点も加えて、これからもコラムを続けていきます。引き続きお付き合いいただけますと幸いです。

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